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今日のエッセイみたいなもの 2021年2月16日

「出汁(ダシ)」と聞いてどんなものを思い浮かべますか。一般的には「昆布+鰹節」が多いかもしれない。

顆粒の「ダシの素」や「めんつゆ」もこれだ。というのも、この組み合わせが最も多く使われていて、僕らの会席料理の世界でも一番出番が多い。正確には「合わせ出汁」で、もっと正確に言えば「昆布と鰹の合わせ出汁」という。

「昆布と鰹の~」というからにはそれ以外の組み合わせだって無数にあるし、「合わせ出汁」というからには「合わせていない出汁」が存在しなくちゃいけないよね。で実際にある。というようなことは、今更力説するようなことではないかもね。

 

では、「合わせていない出汁」ってどういうモノでしょうか。

一番ポピュラーなのが「昆布出汁」だね。合わせ出汁ほどの力強さは持っていないけれど、澄んだ上品な味わいが特徴だ。実は、現代においてはこれがスゴイことなんだ。意外と「単体で成立する出汁」というのは少ない。さっき、あえて「現代においては」と書いたけれど、それは近現代は深みのある複雑な味わいを好む傾向にあるので「単体で成立する」だけでも快挙と言えるかもしれないからだ。

 

大根だけのお味噌汁、魚だけの煮魚というのがあるのはあるのだけれど、ここ百年くらいは日の目を見ないでいる。味噌汁なら合わせ出汁をベースにするだろうし、なければいろんな具材を入れてダシにする。煮魚も大抵の場合は野菜と一緒に炊き合わせる。美味を追求した結果、たくさんの人に受け入れられているのが合わせ出汁の文化なのだろうね。これはもう歴史の流れだから。

 

そうやって、細かく見ていくと「単体で成立する出汁」には一定の傾向があることに気がつく。アミノ酸とかイノシン酸とかの「うま味」がとても多いこと、それから「香り」だ。

まずは元になる食材が「うま味」を持っていないことには、とにかくどうしようもないよね。それはそうだ。そして、その「うま味」を水に溶け出すときに、一緒に移るの「香り」だ。香りと言っていると良いもののように聞こえるけれど、実はこれが曲者。ちょっとでも強くなると「香り」は「臭い」に変貌してしまうからだ。曲者というかクセーモノだ。

 

単体で使うときは程よい香りくらいが使いやすいし、うま味はたっぷりあったほうが良い。

このあたりの塩梅が良いのが昆布なのだろうね。

ところで、先日書いた「掛川三年番茶」が出汁としてとても優秀だということを最近発見したよ。昆布と比べると香りは強いけれど、もともとがお茶だから多少強くてもいい香りだ。胡麻豆腐に三年番茶で作った餡をかけるといい塩梅のバランスになるね。

 

今日も読んでくれてありがとうございます。「くさや」の匂いを何百倍も薄めていくと、シャネルの5番と同じ香りになるなんて信じられないよね。びっくりだけれどそういうこともあるらしい。

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