エッセイみたいなもの

今日のエッセイ もはや遺伝子レベル!1000万年前に酔っ払っていた。 2021年6月24日

お酒の歴史について掘り下げてみようと思います。お酒なくして世界史は語れないというくらいに人類史に影響を与えてた、というと言いすぎかな。だけど、そのくらい影響が大きい存在なんだよね。

人類で最初にお酒を飲んだのは「メソポタミア文明」で、紀元前8500年頃と言われている。今から1万年以上前だよ。日本は縄文時代の早期だし、中国で稲作が始まったとされる頃。途方も無い昔だね。
古代メソポタミアのシュメール文明で古代ビールが作られたらしい。「大麦で作ったパンに水を加えて発行させるという作り方だったということが、楔形文字で粘土板に記録されている」と書いている本を見かけたけれど、楔形文字が完成するのはまだまだだいぶ後の話だから、絵文字に近かったのかもね。
この辺りの年代は、書籍によって表記ゆれがあるからちゃんと特定できなかった。というか、そんなに細かな年代を特定することに大して意味はないと思うんだけどね。だいたい1万年くらい前からお酒を飲みはじめてたらしいよ。そのくらの認識で良いんじゃないかな。

とにかく紀元前4000年~3000年には、ビールの製法が確立していたということははっきりしている。誤差1000年って、どんだけ曖昧なんだよ。と思うけれど、超古代の話だからしょうがない。「モニュマン・ブリュー」と呼ばれる石碑が大英博物館にあって、それには「農耕の神ニンハラに捧げるビールづくり」の様子が楔形文字で描かれている。少なくともこの時点では「お酒」というものを認識していたし、「神様に捧げる」という行為を伴っていたんだね。

ちなみに、なぜ人類がお酒を飲むようになったのかは諸説あって定まっていない。人間が「ヒト」に分かれる前、ゴリラやヒトの祖先であったころから偶然にアルコールを摂取していたんじゃないかって説がある。(サンタフェ大学のマシュー・カリガン氏)これによると、1000万年前!に飲み始めたとか。このおかげで、ヒトやゴリラやチンパンジーはアルコールを分解する能力があって、これ以前に既に別の動物だったとされるオラウータンやテナガザルはアルコールを分解できなくて下痢を起こすらしいんだよね。

偶然アルコールを摂取したってことだけど、どういうこと?ってなるよね。この頃の祖先は「木の上で生活する猿」でね。基本的に木の実を食べていたんだって。それが、急激な気候変動で地上に降りなくちゃいけなくなった。そしたら、新鮮な木の実じゃなくて「落ちた果実」を食べることがあって、それが発酵していたせいで偶然アルコールを摂取していたらしいんだよね。
アルコールを摂取して「楽しい気分になる」ということを、もうこの時点で体感しちゃってたとしたら。お酒を作って飲もうと考えるのは、もはや「動物としての自然な流れ」と言えるかもしれない。

調べていったら、とんでもなく古い時代の話になっちゃった。もう、動物としての本能に近いじゃんね。でもこれだけじゃない「お酒を飲む」理由が、人類史にあったんじゃないかということも同時考えるよ。社会的な価値のようなものね。
メソポタミアのモニュマン・ブリューの記述にもあったけど「神に捧げる」行為は、実は世界中で行われていたみたいだ。日本でも縄文時代中期になっていて、稲作が始まっていたとされるんだけど、どうやら日本でも「お酒」を飲んでいたらしいんだよ。それも「神様に捧げる」ために存在していたと。当時は、交流なんてほぼ無かっただろうから、それぞれが独自に同じ行為に行き着いたというところが興味深い。完全なる後進国だった日本ですらこうだったんだから、古代から中世に至るまで世界の最先端だった中国には当然お酒の文化があったよね。
世界中で独自に生まれていって、そして宗教に利用されていたという摩訶不思議。ホントに1000万年前から飲んでいて、遺伝子レベルで組み込まれているんじゃないかっていう気がしてくるよ。実際のところはまだわからないけれどね。

今日も読んでくれてありがとうございます。西洋のお酒の発祥を調べたので、次はアジアのお酒について書きますね。どうやら状況が異なるみたいだよ。

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武藤太郎

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