エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 一見役に立たないと思われるもの。 2021年8月4日

このエッセイの中では何度か触れた内容だけど、一見役に立たないように思えることがぼくらの心に働きかける効果が高いと思っています。

どう表現すると伝わりやすいのかなあ。例えば、とても実用的ですぐにでも実践すれば結果に結びつくような本があるとする。というかあるよね。いわゆる実用書。経営だったら考え方を記したものや解説書だろうし、料理だったらレシピや調理方法を記したモノだろうね。これに対して、小説は違う存在だ。小説は、実用書のような効果はない。具体的な行動を示唆するような類のものじゃないのだから当たり前だけどさ。だけど、心に作用をしているような感覚を得る。良い小説を読むと、なんとなく良い心持ちになるということがあるんだけど、そういう心持ちになるということが良いんじゃないかなと。

ぼくらは、毎日とんでもない数の判断をしているらしい。らしいというのは、大抵の場合自覚がないからだ。判断するという作業には、だいたい思考するというステップがつきまとうよね。これが、結構な負担になっていて、その負担は心に掛かっているんだと思うのね。
ホントによく経験するのだけど、ルーティーン以外の行動をする時にはやる気が必要になる。心の力が必要になるんだよね。やらなきゃいけないことは若手いるんだけど精神力が追いつかないということもある。ぼくは、ロールプレイングゲームになぞらえて「MP」が足りない状態と表現をしている。って、わからない人には全然意味がわからないんだろうけど。こういうエネルギーが湧いてくる元になっているのが、心に働きかける「なにか」なんだと思うんだ。

ホントにね。会社の経営というのは、MP消費が激しい。一人の決断が会社の命運を決めるわけだから、判断を下すために勉強もするし熟考もする。それだけで、相当なエネルギー消費になる。そのエネルギーをどう補充するかというところがとても大切になる。アップルを立ち上げたスティーブ・ジョブスは、毎日同じ洋服を着るくらいの極端さで判断に必要なエネルギー消費量、ぼくが言っているところのMP消費を節約するということも行っていたみたいだね。消費量の削減をするのは良いとして、回復はどうしていたんだろう。そのあたりを聞いたことがないのでよくわからないけれど、どこかで回復しておく必要があるんだと思う。

もしかしたら、それは睡眠なのかもしれないし、健康管理もその一つかもしれない。人によっては趣味に没頭することだったり、ゲームや映画も友好なんじゃないかと思う。経営者仲間ではよく聞く話なんだけど、寝る前に映画を見るとかゲームをするという人もいる。ぼくも、割と映画を見ることがある。考えるという作業から自分の脳みそを切り離したいからだね。一見実用性が無いと思われがちなものが、MPの回復に役に立っているんじゃないかな。

この話の流れで書くのは、どうかな。もう先を読まれているようで面白くないかも知れないけれど、美味しい料理を食べるということがMP回復に役に立つんじゃないかと思っている。美味しいということも大切だけど、楽しい時間を過ごしたということがもっと大切なんだろうね。友達と一緒に楽しい時間を過ごす。その時に口にするものがコンビニで買ってきたものであっても、缶ビールだったとしても良い。だけど、良い雰囲気で美味しいものを食べるのは、更に良いんじゃないかとね。ぼくは、割と本気でそう思っている。

今日も読んでくれてありがとうございます。ぼくは料理人でもあるけれど、MP回復に必要な空間のひとつの要素として料理を捉えている。そのために、料理が面白いという部分もあって良いし、王道の物があっても良い。美味しいということの全てはそこに向けているつもりなんだ。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

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