エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 地味だけどスゲーやつ「味噌汁」 2021年8月9日

味噌汁といえば、日本人にとって特別な料理のひとつです。最近、味噌汁を食べない人が増えてきているなんていう記事も見かけるけれど、それでもやっぱり「お味噌汁」はザ和食だよね。

一汁三菜って聞いたことある人も多いだろうけど、ご飯と味噌汁とおかずが3種類がワンセット。これは近代に入ってからのことで、それまでは一汁一菜が基本らしいんだよ。興味深いのは、汁は絶対あるところ。もちろん、汁というのは味噌汁を指している。つまりご飯と味噌汁はずーっとセットなんだ。これって、実は凄いことなんじゃないかと思って、日本以外の食文化を調べてみたのね。やっぱり、こんなに長いあいだ「ご飯と味噌汁」がコンビでい続けることは稀みたいだ。

味噌汁がずーっと定番で、しかも「毎食食べる」レベルになっている。どうしてこんなことが可能なんだと思う?いや、そんなに定番じゃないでしょ。という人もいるかも知れないけどさ、それは和食の長い歴史の中では「最近そういう人もいるよね」くらいのものだ。洋食が一般家庭で頻繁に登場するようになったのは、ここ30年くらい。それまでは、ご飯と味噌汁はほぼ毎食なんだよね。
このことがどれだけ凄いかということを、もう少しだけ付け加えてみる。毎食食べる定番の料理の特徴は、味が淡泊で、他の料理と競合しないことが真っ先に挙げられる。ご飯がそうだよね。美味しい、だけど味がそんなに濃いわけじゃない。だから、毎日食べても飽きない。いわゆる主食になっている料理は、だいたいこの特徴をもっているんだって。
毎食同じものを食べ続けるって、なかなか無いと思うんだ。朝昼晩とつづけて一年間。それが肉じゃがだったらどう?さすがに3日続いたら飽きるよね。そんなに持たないかも。改めて考えると味噌汁ってスゴくない?世界中には、たまにこういう「地味だけどスゲー」っていう料理があるんだ。味噌汁ってその一つ。

味噌汁と一口に言っても、いろんなバリエーションがあるよね。もうメチャクチャたくさんある。これが面白いんだよ。言ってしまえば味噌汁を構成するのはたったの3つ「出汁」「味噌」「具」。これだけだというのに、というかだからこそ、バリエーションが豊富なんだよ。どんな出汁にするか、味噌だっていっぱい種類があるしね、具なんかはリストにするのが困難なレベル。美味しければ、なんでもあり。全部正解。この懐の深さが味噌汁を定番にしてきたんだろうね。この3つの要素を深堀りしていくと、地域性も見えてきて面白い。地域性どころか家庭ごとに違ったりするしね。

あと、そもそも味噌汁って「カンタンに出来る」料理の代表格だよね。味噌汁が難しいと感じる人はあんまり聞かないもん。たまに、出汁が大変だって聞くんだけどさ。昆布と鰹節の一番出汁なんて、料亭でもない限り味噌汁には要らないから。極端なこと言っちゃえば、適当な具を水で煮たところに味噌を入れればそれで良いの。具の組み合わせ次第で、どうにでも美味しく出来るから。これについては、この先深堀りしてくことにしよう。とにかく、味噌汁の手軽さが定番料理になっていった理由のひとつかもね。

味噌汁の栄養面も侮れない。実は「ご飯と味噌汁」コンビは、世界最強クラスの実力がある。栄養学的に見て、たった2つの組み合わせでこれだけレベルの高い栄養バランスが取れているというのは、まあめったにないもんね。味噌汁には「医者殺し」という異名がつくほどだ。この最強バランスに気がついて、味噌の開発に熱中した戦国武将が登場したくらいなんだよね。しかも、超有名な戦国武将「たち」だよ。
味噌が発展したおかげで、日本は独自の食文化を気づくことが出来たと言っても過言ではないと思うんだよね。そのくら偉大だ。

今日も読んでくれてありがとうございます。これから「味噌汁シリーズ」を始めるよ。味噌汁がいつから始まって、どうやって今のスタイルになっていったのか。地域だけじゃなくて時代ごとの味噌汁の違いや、作り方を紹介していく。シリーズが終わる頃には、みんな味噌汁を作りたくなるような話をしていくね。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

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