エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 日本料理ってなんなんだ? 2021年8月25日

ついうっかりすると、料理以外のことを書いてしまう傾向があるようです。ということで、たまには料理そのものについても書いてみようと思います。と言っても、ここにレシピを書き連ねてもしょうがないので、まつわるエピソードかな。

日本料理について、ちょっと語ってみようか。と言っても、ラジオや連載の様にガッツリ調べたわけじゃないから、今日のところは自分の中に今持っている知識だけでの考察。ということで、確証はないからふわっとした気分で読んでもらえたら良いです。

唐突ですが、日本料理とは何ですか?どんなものがありますか?

さて、どんなものを思いついたのかなあ。掛茶料理むとうは会席料理、同音異義語で懐石料理もあるね。それ以外に、本膳料理、精進料理、普茶料理もある。もちろん、寿司に天ぷら、とんかつやラーメン、そば、おでん、肉じゃが、色んなものがあるよね。
じゃあ、いま思いついたものをジャンル分けしてみようかな。前半のなんとか料理というのは、もうそれだけでジャンルのひとつだね。会席料理はお酒の場で供されるもの、懐石料理は茶懐石とも言われるくらいだから茶会で供されるもの。本膳料理は武家の饗応料理、まあ接待のような感覚で用いられていてお膳がいくつも並べられるもの。精進料理は仏教の戒律に従って、植物由来の食材のみで作られた料理。普茶料理は銘々皿ではなくて、大皿で提供されて取り分けるスタイル。
よく見ると、目的とスタイルと調理方法とが入り混じっている。ぼくらもよく質問されるんだけど、たしかにこれだけあったらわかりにくいよね。
後半は、屋台で発祥した単品料理だし、家庭料理と言っていいのかな。

ところで、他の国の料理はどうなんだろう。
たとえばフランス料理って、オーギュスト・エスコフィエ以前と以降くらいのざっくりした分類になる。厳密に言えば、昔ながらのものとヌエベフレンチと言われる新しいスタイルのものがあるくらい。もしかしたら、もっと細かく流派が分かれているのかな。あとは、家庭料理に、屋台の料理。そんな感じだ。

そうそう、オーギュスト・エスコフィエって唐突に出しちゃったけど。1800年代のフランスの料理人で、現在フランス料理と日本人が認識しているものは、この人が考案した料理のスタイルだ。コース仕立てとか、レストランの様式とかね。だから、フランス料理と言ってはいるけれど、エスコフィエ風料理とも言いかえられる。これって、世界的に見ても異例なんだよね。それぞれの国の料理の特徴は、だれか1人が開発したってことはなくて、自然発生的に生まれて定着していくもんだから。それには、自然環境や社会の思考様式なんかで決まることが多い。

ちょっと脱線しちゃった。他の国はどうだろう。
朝鮮料理は?中国料理は?イタリア料理、スペイン料理にイギリス料理。タイにベトナム。全部比較していったらきりがない。ただ、メチャクチャ大雑把に言っちゃうと宮廷料理と屋台料理、家庭料理、家庭料理の中でも儀礼に用いるものと、日常のもの。このくらいの分類が一般的なのかな。
そこがベースにあって、地方で特徴が出る。これは世界共通の傾向だ。自然発生するものね。

今まで、こんな視点で日本料理を見ることがなかったけど、変わってるかもね。ジャンルがやたらと細かい。

今日も読んでくれてありがとうございます。それぞれの様式にはルーツがあって、生物進化の樹形図のように枝分かれしていった結果今に至るって感じかな。今度、改めてまとめてみることにしよう。なんか膨大になりそうな気がしてるけど。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

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