エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 沼津御用邸記念公園プロジェクト 2021年10月11日

静岡県沼津市には、旧御用邸があります。今は公園になっていて、本邸は現存していないのだけれど、西付属邸と東付属邸がある。http://www.numazu-goyotei.com/
行ってみると分かるけれど、素敵な場所だよ。なんだか、ここだけは時間がゆったりとしている。ゆっくりじゃなくて、ゆったりと。懐の深さみたいなゆとりを感じるんだよなあ。

先日、共通の友人を介して紹介された渡辺さん。沼津御用邸記念公園の指定管理をしている企業の方だ。この素敵な環境をもっとたくさんの人に知ってもらいたい。豊かな文化の集積と発信をここから行なっていきたい。この環境の持続可能な仕組みづくりをしたい。
そんな情熱に溢れた方だ。同社の社長もまた、渡辺さん以上に情熱を燃やしている方らしい。まだ会ったことがないので、お会いして話を聞いてみたいな。

ところで、なんで急に沼津の話になったの?と思う方もいるかもしれないよね。実は、今このプロジェクトを一緒にやろうとしているんだよ。出来るかなあ。大丈夫かなあ。という不安が無いわけじゃないけれど、出来るまでやり続けるだけだ。って覚悟はしてるよ。まだ、企画の初期段階だけどね。

当然、掛茶料理むとうが絡むからには飲食である。ここで、ゆったりと穏やかな時間を過ごしながら日本料理を堪能する空間に出来たら素敵だろうなと。常々言っているのだけれど、まさに食事をエンターテイメントとして楽しむ空間。癒やしとワクワク感が同居できる場所にしたいんだよ。
そうすることで、文化の集積と発信の拠点にもなりうるし、自ら稼ぐ力を持って環境維持が出来るようになる。そんなことも構想しているんだ。

海外旅行が頻繁になるには、まだしばらく時間がかかるだろう。往来が自由になれば、明治時代に立てられた日本建築と日本庭園と、日本茶と日本料理は、海外向けのコンテンツとしても優良なものになるだろうと思うんだよね。ぼくは、日本料理という形式よりも発想や文化というものが世界中に広がればいいと思っているんだよ。自然と融合した調理技法やその精神。アシンメトリーに秘められた自然との対話を軸にした精神性。日本食は、日本文化そのものを凝縮したコンテンツになりうるだろう。

西付属邸は観覧できるようになっていて、歴史施設。で、東付属邸はそうなっていない。今の所は、長唄の教室や茶会の場として一部に開放しているだけで、一般の人は中をみることはないし存在さえも知られていないことが多い。
ガラスも手延だったりして、微妙な歪みが穏やかな光を畳におとしていて、少し離れたところからやってくる海風が庭の松を鳴らし、窓を鳴らす。自然の音が豊かなBGMを奏でていて、自然の光が豊かな照明になる。

課題はいっぱいだけどね。調理室があるのだけれど、現代の一般家庭のほうが優れた施設なんじゃないかな。そんなレベル。この環境で、どうやって魚を焼くの?揚げ物は?魚をおろすには狭いよね。換気はどうしよう。でも建物を改装するわけにはいかないし。そもそも、潤沢な資金があるわけじゃない。
でもさ。制約があればそれはそれで燃えるってもんでしょ。いやもう、頭の中はパンパンなんだよね。今、息抜きでこのエッセイを書いているくらいだから。

今日も読んでくれてありがとうございます。時々、このプロジェクトのプロセスはここに書き出していくから、アイデアや意見があったら教えて下さい。コケるかもしれないものを完成前に公開するのはリスキーだけど、この物語もセットで応援してくれたら嬉しいです。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

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