エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 下へ下へと根を伸ばせ。 2021年11月22日

新型コロナウィルスも少しは落ち着いてきたのでしょうか。といって油断するのもいかがなものかと思いますが、ともあれある程度「外出する」や「人と会う」ことが許される環境に近づいたことは嬉しいことです。

ここ最近は、ホントに久しぶりに本業が忙しい。あれこれと頼まれるままに仕事を引き受けていたり、新規事業を企画して走り始めたりと、緊急事態宣言中であっても忙しくしていたのだけれどね。本業とのバランスがうまく取れていないのかな。まだ、慣れないでいる。今のところは時間を絞り出して続けているところだ。

さて、本業にブレーキがかかっている間に手を付け始めた事業がいくつかある。冷凍加工設備の導入をした。お店の料理の一部でも、自宅などで楽しんでもらうためだね。まだ、あれこれと申請をしたり、商品開発をしたりと準備段階ではあるけれど、近々リリースできるかな。
それから、インターネットラジオの配信を始めた。「たべものラジオ」ね。どんな形でマネタイズ出来るのか不透明なままに走り始めたのだから、しょうがないんだけど、今の所タダ働きなんだよね。そのうちにどうにかなると良いな。という位の感覚。って、経営者としてどうなんだ?配信を楽しみにしてくれているリスナーさんも少なからずいるし、ぼくら自身も楽しみながらやっているから、まいっか。少なくとも、お店の公告にはなってるんじゃないかな。
あとは、新規店舗事業への参画だ。今まさに準備しているのだけれど、これは進み始めたら凄いよ。沼津市に御用邸記念公園という場所があって、その中の施設を料亭にしようというプロジェクトなんだ。昭和天皇が勉学を学ばれたという学問所。その空間は、一歩足を踏み入れた瞬間から別世界だ。そこで、ゆったりとくつろぎつつ、食事を楽しんじゃおうという企画。いろいろと、準備が大変だけれどこれは楽しいぞ。
単発では講演の依頼なんかもあったから、2時間ばかりお喋りをする機会もあったかな。ラジオを聞いてくれている方は知っていると思うけれど、ぼくは喋りだしたらずっと喋ってるので、これはこれで楽しく携わらせてもらっている。

いろいろと目まぐるしく動いてきたのだけれど、本業も含めて大切だなあと感じることがある。改めて言うまでもないけれど、仕込みって大切。準備8割なんて言い方もされるけれど、まさにそのとおり。
料理はわかりやすく大切さを感じられるよね。注文を頂いてから作り始めたのでは間に合わないものも多いんだよ。ご来店されてから魚をおろし始めてたら大変なことになるもん。新鮮だから良いと思う人もいるかも知れないけれど、白身魚なんかは熟成させないと本来の美味しさは引き出せない。ごま豆腐だって、ゴマをするところからやっていたら途方も無い時間がかかる。そういうライブをやっている店もあるけどね。それは、料理のレパートリーを少し絞り込んでいるとか、人数をかけているとか、まあぼくらとは違う対処をしているんだろうね。でも、漬け込み料理は間に合わないよなあ。

仕込みではないけれど、準備として包丁をちゃんと研いでおくとか、献立を考えておくとか、試作研究をしておくとか。そういった準備だってしておかなくちゃ。お客様が来店されるときが本番だとしたら、本番の舞台に立つために出来ることは予めやっておく。
講演だとしたら、予め調べられるものは学習して、わかりやすく伝えるためにまとめておく。目で見られるように資料を作ることもするよね。ただ、自分の知見をダラダラと喋ればいいってわけじゃないしさ。ぼくの仕事の大半は、実は準備ばっかりかもね。観光施策なんかで行政や民間団体と絡むこともあるけれど、大抵は下準備かな。という気がしてる。ホントは舞台の上の方が好きなんだ。と思ってたんだけど、そうでもないのだろうか。

今日も読んでくれてありがとうございます。花も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。いつかどこかで触れたセリフが、この2年間の支えになっている。もうひといき、もうすこし。きっと花を咲かせましょう。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

-エッセイみたいなもの
-, ,