エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 個別対応ってどうしたらいいのだろう。 2021年12月12日

すべての商品を個別にカスタマイズする。そういうことを完全にやるには、いろいろと無理があるんだよね。ホントは理想なんだけど。完全カスタマイズが出来るものと、そうでないものがあるような気がする。

例えば、コストの掛かる工業製品は難しい。すべての自動車を個々にカスタマイズするには、コストが掛かりすぎるよ。価格が数百万円レベルじゃ済まなくなるんじゃないかな。そういうものは難しい。
一方で、物質のないものなんかはやりようがあるかもね。

昨日も書いたけれど、教育はなんとかやりようがあるのかも。スキルとか人徳とか、稼働時間とか、コストはかかる。現在と比べたらびっくりするくらい跳ね上がるだろう。だけど、自動車を一台ごとに設計図から起こしていくことを考えたら、ローコストでしょう。

そもそも、サービス系はカスタマイズするのがデフォルトだよね。近現代だとマニュアル化されてしまっている部分もとても多いけれど。それでも、接客業なんかは個別対応が基本。接客だけを商売にしている仕事、スナックとかは完全にそうだよね。物質よりも人間の方が個別対応に向いているということなのだろう。
こういう世界に慣れていない人が、個別対応の社会では生きづらくなっちゃうのかな。どうなんだろう。そういう意味でも、広義での教育を変えていく必要があると言える。

個別対応と業種職種の組み合わせは、個々に考えていくしか無い。自動車業界は絶対無理というわけじゃないだろうし、個別対応しかしないという企業だってあるだろう。コストや仕組みなどを考えて、バランスを取る。セミオーダーもあるしね。グラデーションだ。

そもそも、自動車を設計図を作るところから完全に制作します、なんて言ってもニーズがない。そこまでしてほしいという人は、極めて少数だろう。だったら、メーカーでカスタマイズしてもらうか、購入後にいじれば良いってことになる。あつらえる。そういうくらいでいい。
それにさ、自動車に関する知識がないんだもの。仕組みがどうだとか、物理や工学、化学や電気などなどの知識があるからこそ、生み出される最新技術。そういうのを知らなければ、良い製品は出来ないからね。

さて、ぼくらの飲食業界を考えてみよう。それこそグラデーションだね。チェーンなんかは、個別対応が難しい仕組みだ。ラーメン店だって、スープを仕込むのに相当な時間を費やしているので、来店してから出来ることは限られている。トッピングでカスタマイズするくらいで良い。
だいたい、料理ってのは仕込みに相当の時間を要するもの少なくない。数日かかることだってざらにある。そういう準備をしているからこそ、当日はタイミングよく提供できるわけだ。事前の準備をする時間を貰えればオーダーメイドで作ることも出来るよね。

掛茶料理むとうの会員プランは、かなりオーダーメイドに近い状態で提供している。何日も前から、献立をどうしようと考えながら準備をしていくのだね。とはいえ、お客様に料理の深い知識があるわけじゃないし、そこまで細かいことを求めているという方はいない。だから、「こんな雰囲気にしたい」とか「こんなものを食べたい」というオーダーを貰って、「こんな感じで作ってみました」というキャッチボールになる。

ふわっとしたやりとり。

今日も読んでくれてありがとうございます。ふわっとした感覚や感性のやりとり。個別対応のベースになっているのは、ロジックの外側にある感性なんだろうなあ。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

-エッセイみたいなもの
-, , ,