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今日のエッセイ 二日酔いにならないためには? 2022年1月2日

2022年1月2日

料理屋であって、酒屋じゃないし。たべものラジオであって、酒ラジオじゃない。なのにアルコールに関しての話題が多くなってしまっているね。単純にお酒が好きだし、お酒にまつわるエピソードが面白いし、会席料理はお酒と一緒に歩んできた歴史もあるからね。

さて、せっかくだから昨日の続きを書いておこうと思ってさ。お酒を飲む機会の多い時期だから、なるべく二日酔いにならないための知識は知っていて損はないでしょ。

不純物コンジナーの話は昨日の通り。品質について言及したのだけど、酒の種類によってコンジナーの含有量は違うのだ。乱暴な言い方をすると、「色が濃くて風味のしっかりした酒」ほどコンジナー含有量は多くなる。赤ワインやブランデー、ラム酒、紹興酒は多い部類になる。透明なタイプに近づくにつれてコンジナーは少なくなる傾向がある。例えば同じビールでも淡色のピルスナーとダークカラーのスタウトエールだったら、ピルスナーの方が二日酔いになりにくいということだね。(ビールの種類についてはたべものラジオを聞いてね。)

一応、コンジナーの内容を紹介しておこう。興味ない人は読み飛ばしてください。

有機酸、タンニン、アセトン、フーゼル油、メタノール、チラミン。この辺りがコンジナーの主成分で、お酒によって配分が違うんだ。さすがに、こんな細かいところまで暗記しているわけじゃないので、自分のための備忘録も兼ねてそれぞれの特徴を整理しておくことにするね。

「有機酸」

主に、コハク酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、酒石酸。日本酒はコハク酸、リンゴ酸、乳酸が中心で、ワインは酒石酸、コハク酸、乳酸が中心。

「タンニン」

渋みのもととなるポリフェノールの一種。赤ワインに多い。過剰摂取すると消化液の分泌が妨げられ、消化不良を起こすことがある。消化不良は吐き気の原因になる。

「アセトン」

健康被害はほとんどない。水や油などと混ざりあう性質があって、カップリング剤になっている。

「フーゼル油」

ブタノールやプロパノールなどのアルコール類、酢酸イソアミルなどの酢酸類の混合物。かつては二日酔いの原因と思われていたけれど、後の研究で否定された。

「メタノール」

代謝されるとホルムアルデヒドと蟻酸を発生する。これらを分解代謝するためにはアセトアルデヒドの7~10倍の時間がかかり、長時間毒素が体内に残り続ける。赤ワインやブランデーに多く含まれる。

「チラミン」

血管収縮作用がある。その反動で血管拡張作用が起こることで頭痛を引き起こすことがある。チラミンに対抗する酵素が体内にあるかどうかで個人差がある。

細かいなあ。覚えられるかしら。

コンジナーが少ないほうが良いというよりも、タンニンやメタノール、チラミンが少ないほうが良いということなんだろうね。

二日酔いにならないために。ここが一番大切。

水分を多く摂取しましょう。とにかく水を飲む。チェイサーとか和らぎ水という文化があるよね。あれが良い。お酒を飲むと、水分の吸収率が下がってどんどん出ていってしまうのね。ほら、トイレが近くなる経験あるんじゃないかな。通常の4倍も吸収率が下がるんだって。吸収しないでダイレクトに排泄されちゃう。

体は水分がなくちゃいけないから、他の部分から水を集める。脳からも水を持ってくる。そうすると脳が収縮して脳と頭蓋骨をつないでいる膜が引っ張られて頭が痛くなる。とにかく体内の水分量を減らさないようにすることが大切だってことね。

トイレが多くなると、ついでにミネラルも排泄してしまう。だから、飲む前も飲んでいる間も、なにか食べたほうが良いんだよね。飲んだ後にラーメンを食べたくなるとか、甘いものを食べたくなるというのは、失った塩分や糖質を補充したくなるからなんだ。

今日も読んでくれてありがとうございます。年明け早々から飲んべえ話になっちゃった。少しは正月らしい話をすればよかったかな。お酒は楽しくね。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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