エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 料理をするとビジネススキルが向上する?

2021年11月7日

ビジネススキルのトレーニングとして「料理をする」ってどうでしょうか。ぼくは割と相性がいいと思うんだよね。

どんな仕事でも、だいたい段取りというものが大切だということが言われる。それこそ、オフィスワークでもそうだろうし、営業でもそうだ。その場でパパっと段取りを想像して、瞬間的に優先順位を考えながら行動する。そういう局面はわりと多いよね。
これ、紙に書いて考えることも出来るし、業務の中で培っていくことも出来るんだけど、時間がかかるんだよ。慣れるまでにさ。回数が少ないこともあるし、身体動作を伴わないからね。

思考パターンみたいなものは、割と身体動作の繰り返しによって身につくという側面がある。と思う。実用的なレベルで自分に実装するのは、体を動かすのが一番だ。繰り返し繰り返し行うことで、その思考パターンがオートメーション化する。悩まなくても良くなる。そうすると、ほとんど直感と区別がつかなくなる。たぶん、そういう経験をしている人は少なくないだろうから、クドクド説明する必要はないかもね。

さて、料理というのは段取りが命だ。プロの料理人は当然だけれど、一般家庭においても同じ。2つの料理を作るとして、片方は温かく片方は冷たい料理だとしたらどちらから取り掛かるか。これは内容にもよるか。じゃあ、味噌汁とほうれん草のお浸しで。先にやるのは?
と考えるときに、必要な要素はまず時間。時間がかかるものは先に取り掛かりたいよね。当然だけど、ご飯を炊き始めるのが一番最初なんだろうけれど。味噌汁の出汁をちゃんとするならちょっと時間がかかるよね。具材だって、火が通るのに時間がかかるものだったら先に加熱を始めたいし。これに比べれば、ほうれん草の湯で時間なんかは、ほんの1分程度。味付けは醤油をかけて鰹節をかければ完成だ。ということは、時間がかからない。
次に、食べるときの状態を考えたいよね。冷たい味噌汁よりは、断然あったかいほうが美味しいもん。そしたら、味噌を入れるのは最後にしたいよね。味噌を入れた状態で加熱すると味がおちるし。

ここまではOK?

で、段取りを考える上でもう一つ要素があるんだよ。けっこう忘れがちだけど、片付けだ。料理が出来たら、すぐに食べたい。一緒に食べる人がいたら、その人だって先に食べ始めるよりも揃ってからが良いと思う人も多い。段取りが上手な人は、料理が完成する頃には、キッチン周りがある程度片付いているもんなんだ。だから、調理の工程を考えながら、どのタイミングで包丁とまな板を使って、いつそれを洗うのか。野菜を洗うとしたら、シンクに鍋が置きっぱなしだと使えなかったりするわけだし。それに・・・。と考えていくといろいろあるでしょ。
ホント、文字にすると凄いことになっているな。

人間って凄いなって思うのは、これを頭で考えてからやろうとすると悩んじゃう割に、体を動かして経験を積むと、直感で動けるようになっていくんだよね。ちゃんと段取り良くやろう、という意思が不可欠だけどね。ちょっとずつ、意識していたり半ば無意識に改善していく。そして、そういう思考回路が体にインストールされていく。
一度インストールされた思考回路は、そうカンタンに衰えたりしない。それこそ、しょっちゅう使っている人はその回路が常駐ソフトになっていくわけだよね。ね、どう?直感的に段取りを組めるアプリが常駐しているって便利じゃない?

今日も読んでくれてありがとうございます。簡単な料理でいいから、時々やると良いと思うよ。ビジネススキルの訓練としても、なかなか優秀なトレーニングになるんじゃないかな。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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