読書の秋とは関係なく、この1年ほどは本を読むのが楽しんですよ。新型コロナウィルスのせいで、飲食店はそれ以前よりもずーっと暇になったのね。会社の経営としてはとても大変な状況なのだけれど、ぼくらが勉強するということはこの先の経営にもきっとプラスになるだろうと、自分に言い聞かせて。それを理由に好きなように読書の時間を作ろうとしてるわけだ。
読書って、ぼくの思っていたよりもずっと体力を使うのね。しばらく読書量が減っていたから気が付かなかったんだけど、もっと若いときは体力があったから苦にならなかったのかな。一方で、年齢を重ねたことで理解や解釈も変わってきているし、少しは深くなっているのじゃないかと思う。というかそう思っておきたいかな。
「たべものラジオ」の原稿を書くために、いろんな本を読む。わからないところや、少しでも疑問に思ったことはインターネットで検索をする。ネット上の情報は全てをうのみにすることは出来ないから、参考文献が書いてあればそれを探す。それから、国会図書館デジタル。もうホントに助かっています。書籍化されていない古書や論文まで公開してくれているから大助かり。
江戸時代の書籍の原本がそのまま収録されていることも多くて、そもそも文字の解読が難しいこともままあるんだけど。そこは頑張るしか無いのかなあ。誰か助けてといっても、結局自分の中にインストールしないと理解が浅くなっちゃうから、そこは頑張って読むしか無いか。
実は、ラジオの原稿は2段階で書いてるの。ある程度の量の本を読む。そして、大雑把に流れを組み立てる。それに沿って、もう一度本を読んだり調べたりしながら、文章で書き出す。ちょうどこのエッセイみたいな感じで書き出していく。
一つの食材をテーマにした物語を、自分の手でもう一度書籍化するような感覚。ぼく専用の教科書を作り直すという方が近いかも。まずこれをやるんだ。というのもね。複数の書籍や、インターネット上の情報に散乱している情報を一つの場所にまとめる必要があるんだよ。そして、それを一つの流れの中に整理していく。事実や学術的な考察も含めて、とにかく並べていく。そうすることで、今度はぼくなりの解釈をする準備が出来るわけ。
だいたい、お茶についてのシリーズだったら4万文字くらいかな。でね。このお手製の教科書を元にしながら今度は手書きでノートにまとめていく。それこそ、学生時代を思い出すよ。もう一度自分の言葉で整理しながらまとめていく。そうするとね。「この教科書不親切だな」と思う箇所が出てくる。なんだこれ?どういうことか理解できないや。ってね。そうなると、更に他の本やネットの情報を当たるわけ。今度は参考書的な感覚でね。
ラジオの中では登場しないけれど、背景を把握しておきたいこともあるからさ。例えば、胡椒のシリーズだったら、オランダ東インド会社のビジネスモデルとかオランダ国内での立ち位置や情勢とか。そんなのはっきり行って胡椒とは関係ないんだけど、把握しておくことでわかることもあるんだよ。なんでこんな遠くまで来ていて、力をつけることが出来たのか、とか。その結果胡椒やお茶や生糸の貿易にどんな影響を与えたのかとか。
ずいぶんと手間のかかることをやっているなと、自分でも思うんだけど。学生時代に習った知識があんまり役に立たない、というか結構忘れちゃってるからさ。しょうがないよね。もっとちゃんと勉強しとくんだったよ。
今日も読んでくれてありがとうございます。なんだか、急にラジオの再生回数が増えてきたのでビビってます。あくまでもエンタメとして楽しめるようにはしていきたいから、なるべく意識しないようにしてるんだけどさ。数字。食文化をエンタメにして楽しむというのが会社の大方針だしね。