エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 人類の幸福度と会食の関係 2021年10月12日

2021年10月12日

人間の幸せはお互いに同じ部分で頼り合う関係が認められた時なのだそうです。人に聞いたことなので、そのことが書かれた論文は読んでないのだけど。とか言いながらネット検索したところ、当該記事をみつけたよ。

ハーバード大学が75年かけて「人間の幸福度と要因」について調べた結果だそうだ。いやいや、ちょっと待てよ。75年って凄いよね。論文の結論は「私たちの幸福と健康を高めてくれるのはいい人間関係である」となっている。
うーん。まあそうだろうなあという気もしないでもない。

家柄、学歴、職業、家の環境、年収や老後資金の有無は無関係である。
友人の数は関係なく、たった1人でも心から信頼できる人がいるかがどうかが重要。
ぼくに教えてくれた人はふたつめを抽出したのね。特に、ポジティブな友人が幸福度を高めるということまで調べたようだ。対人関係が精神的な幸福度だけじゃなくて、健康にも良い影響が見られることが実証されたということで良いのかな。

実験や論文のことはさておき、たぶんぼくらはこれを体験している。体験しているものを言語化してもらって、より深く理解するきっかけになるということなんだろうけど。普段どんな体験をしているのかと言うと、まず挙げられるのは家族だろうね。
幸福な家庭というのは、お互いに信頼関係が成り立っていることが大前提。かっこいいとかかわいいとかの容姿よりも、リスペクトしあえる信頼関係。恋愛感情だけじゃないような、人と人との深いつながりがあることが一番重要なんだろう。ということは、周囲を見渡してみると見つけられるからね。

そして「家族」を集団生活の最小単位として、感覚を拡張していった先に友人がいる。友人ではなくて仲間、という表現を使うことも見受けられるよね。古くからの仲間でも、会社の仲間でも、観光協会でもYEGでも。カテゴリーは何でも良くて、時々夜遅くまで飲んでいるというのは、この信頼関係を確認している作業かもしれない。
でね。ここからは体験談でしかないのだけれど、良い仲間と食事をしてくると元気になるんだよ。前述されているけれど、ポジティブで信頼できる仲間と会話することだけでね。だから、みんなついつい遅くまで飲み屋にいるんだろう。だってさ。見てると、みんなあんまりお酒の量は多くないんだよ。焼酎とかハイボールなんか、けっこう薄かったりするんだよね。仲間と語らっていて、元気や勇気や活力を交換しあっているだけだから、酔うかどうかは二の次って感じかな。

メリットがあるかどうかで人と付き合うと面倒くさい。「繋がっておくとメリットがあるかも」ということだって、人間社会ではよくあることだけれどさ。たしかに面倒くさそうだ。飲み会でも疲れるしね。これもまたほとんどの人が経験したことがあるんじゃないかな。

つまり、人間関係の量よりも質が大切で、この時「質」と呼んでいるのは肩書や権力などではなく、人類としての根源的な信頼だということだ。

じゃあ、信頼関係を築くにはどうするのが良い?最も効果的で手っ取り早いのは、一緒に食事をすることだ。誰かと距離を近づけたいと思ったら、食事の時間をともにすると良い。オックスフォード大学の研究でも共食は関係構築とともに幸福度の向上にも貢献すると結論付けられているのだけれど、これもみんな体験済みだよね。リラックスして自然体を見せあって、お互いの趣味嗜好や人間性もよく分かるからさ。

あと、ちょっとした贈り物も良いよね。時と場合によっては贈収賄みたいな感覚で捉えられることもあるかもしれない。そこまでいかなくても、何か下心があるんじゃないかと勘ぐる人もいるかもしれない。だけど、案外「あなたとの人間関係を良くしたいんです」というメッセージだったりするわけだ。安心して「ちょっとした」プレゼントをし合ったら良いと思う。

今日も読んでくれてありがとうございます。そういえば、これ全部「接待」だね。メリット・デメリットだけで仕事を進めてしまうのではなくて、ちゃんと信頼関係を築きたいから行われるのが接待。そういうことだ。仕事を通してお互いに幸せになるためにやる。ね。接待のイメージ変わった?

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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