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今日のエッセイ 家庭の和食が劇的に美味しくする方法 2021年3月23日

2021年3月23日

調味料を変えるとガラリと味が変わります。「そんなに違う?」と思うかもしれないけれど、はっきりと分かるくらいに違うんだよね。一般の家庭でよく使われている調味料というと・・・僕らは一般家庭のことに疎いのでよくわからないです。これダメですね。
とりあえず話を進めることにしましょう。

例えば、「みりん」と「みりん風調味料」ね。これはもう「完全な別物」です。どのくらい別物かと言うと、「赤ワイン」と「果汁5%のぶどうジュース」くらい違う。けっこう価格差があるので躊躇するかもしれないですけど、一度試してみて欲しい。
醤油なんかは、わりと良い醤油を使っているヒトも多そうな印象なんだけど、どうでうすか?醤油メーカーの「本気」の醤油は良いですよ。これはホントにレベルが違う。醤油を変えるだけでお刺身が美味しくなるんですよ。気になるヒトは一度試して欲しいですね。ただ、一般的に出回っているキッコーマンとかヤマサとかでも、みりん風調味料ほどひどくはないからね。並べて比べなければ差に気づかないという人もいるかも知れないです。
ちなみに、みんなの味方「めんつゆ」ですが。あれ、ほんとに便利ですよね。さすがに店で使うことはないですけど、自宅で「作るのが面倒だなあ」という時には、あると楽チン。あの「めんつゆ」の中身なんだけど、けっこう簡単に再現できます。ざっくりと基本構成は「そこそこの醤油」「みりん風調味料」「水」「出汁の素」です。メーカーさんから怒られちゃうかもしれないけれど、あくまでざっくりですからね。ただこれらを混ぜれば完成します。慣れていない方が困るのは「何をどのくらい混ぜるのか」ということを知らないからなんですよ。
まず、醤油とみりんの量は同じです。いわゆる「1:1」。なんなら、同量で混ぜて置いておいても良いくらい頻繁に使う割合なんですね。これを「どのくらいの出汁で薄めるか」というだけなんです。調理場で話をするとき「811」とか「611と砂糖」とか、暗号みたいに数字だけでしゃべるんだけど、この割合の話をしてるんですね。これを「八方出汁」って言いますが、「八方」という表現自体が「何でも使える万能なやつ」という意味なんです。めんつゆのセールスポイントと一緒でしょ?

万能つゆの代わりに、ささっと八方出汁を合わせる。ただ、その時に「みりん風調味料」を「みりん」に代えれば、びっくりするくらい美味しくなるってだけの話なんだよね。出汁はについては「出汁の素」でも良いじゃないですか。ホントはちゃんと出汁をとったほうが良いに決まっているけれど、プロじゃないんだから。面倒だなというヒトはそれでOK。あ、そうそう。「出汁の素」は少し「塩」が入ってるから、「1:1」よりほんのちょっと醤油少なめにすると良いかも。

料理が一瞬で美味しくなる方法を聞かれたので、一番差が出やすいところをまとめてみました。質問があれば言ってくださいね。大概のものは公開しますから。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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