エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 抽象的に捉えるってどういうことだろう。 2022年2月3日

2022年2月3日

抽象概念の理解の仕方。思考練習みたいなことを話していたら、他のことも思いついた。

娘を観察していて気がついたことなんだけどさ。

我が子を観察対象にするのもどんなもんかと思うかもしれないけれど、人間ってどうやって抽象的な事柄を理解していくのかなあって不思議でね。一緒に遊んでいる間も、頭の片隅では観察しちゃってたんだよね。

我が家のお風呂にはたくさんのちっちゃいひよこがいる。もちろんゴムのおもちゃ。それと一緒にイルカやクジラやタコなんかもいる。

やっと10まで数えることができるようになった娘は、何度も数を数えては教えてくれるのだ。

始めのうちは、ひよこはひよこで数えていて。10だよって言ってたんだ。イルカやクジラを混ぜると、それは違うのって。それが、最近は全部で12だって言うようになってきた。もちろん、ひよこは10でイルカとクジラは1と1だ。

同じ形をしたひよこがいくつあるか数えるのはわかる。

だけど、そっちは違う個体だからそれぞれに1と1。

まだ、1個とか1本とか助数詞を知らないからどれで数えても数字だけでしか表現ができない。だけど、頭の中ではちゃんと区別してるんだよね。

なんだかわからないけれど周りの大人は違う個体も含めて同じ表現(数字)をしているぞということに気がついていくんだろう。年齢も3歳だと言えるし、次は4歳だということも言える。家族の人数も4だと言える。いろんなモノを同じように数えられるんだ。

そうか、それが「数字」という「概念」なんだ。

妄想すると、娘の脳はそんな判断をしていったのじゃないかと思うんだ。

ということを考えていたら、とある事に気がついた。

そうか。無数の事例を経験しまくって、共通点を抽出して抽象概念を掴んでいくんだ。とね。

ひとつひとつを規定して、それぞれにルールを作っていくと大変だもんね。だから、脳の思考負荷を減らすために、ナチュラルに共通のルールを見出すのかもしれない。

ちょっと前のAIは「犬」を判別できなかったんだよね。目があって耳があって、とか細かな特徴を無数にインプットするんだけど、犬と猫の区別もつかないし、ブルドッグとチワワと柴犬が同じ犬だってことが判別できない。めちゃくちゃ細かくやっていくと、もうどうにも定義ができない。そんなようなことを専門家が解説しているテレビ番組を見たんだ。

今は、それも出来るようになった。定義をしない。とにかく犬が写った写真をたくさん入力するだけ。ある程度のところで、人間と同じように「犬」を判別することが出来るようになったそうだ。

技術って凄いな。

娘のことを観察して、人間がどうやって抽象概念を手に入れていっているかを考えていたらこれを思い出したんだ。結局経験。つまりは膨大な情報をインプットしておくってことだよね。それも、細かく勉強するんじゃなくて、とにかくありのままの情報をそのまま入れる。

一見無駄に思えるようなインプットも、実はとても重要なことだったんだ。

今日も読んでくれてありがとうございます。意識してないけど、実はたくさんの抽象概念にかこまれて暮らしているんだよね。それを理解するのに、無造作なインプットとメタファーで行ってるんじゃないかって仮説が出てきた。他にもあるんだろうか。どう思いますか。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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