エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 結果を出す人ほど、食事のマネジメントをしている 2021年6月21日

2021年6月21日

掛茶料理むとうには、エグゼクティブ(経営幹部や上級管理職)の方々がよくいらっしゃいます。全員がそうだということは無くて、企業接待などで利用されるケースが多いかな。接待でお店のことを知ってくれて、その後もご家族や友人とお食事を楽しみに来られることもあるね。

仕事柄、こういった「ビジネスで成果を出しておられる方々」の食生活を垣間見ることが多いのだけれど、結果を出している方ほど「食事」に対して気をつけているんだよね。とても忙しくて食事なんかにかまっていられない、というビジネスマンもいるだろうけれど、いわゆる成功者は食事もちゃんとマネジメントしてるんだよ。凄いよね。

あるお客様がおっしゃっていたんだけど「仕事や遊びを充実させるためには、最高のパフォーマンスを発揮できる体にしておかなきゃならない。そのためには、食事のマネジメントが一番効率が良い」という。たしかにね。ジムに通うなどの運動習慣を作っている人も同様に多いのだけど、その時間を作り出すよりも毎日の食事に気をつけてあげるほうが、費用対効果が高いのは間違いないよ。
だって、生きているだけでもどうせ食事はするもんね。それをマネジメントしてあげるのが、手っ取り早い。

食事をおざなりにすると、例えば栄養補給食品で済ませていたり、毎日丼ものを短時間でかき込むだけだったりということなんだけど、本人も気づかないくらいのレベルでストレスが蓄積されていくということがわかってきている。確かに忙しくて、コンビニおにぎりを頬張るくらいしか出来ないこともあるかもしれない。だけど、それを続けていくことで体はストレスを蓄積していくんだって。そして、そのストレスを発散させるために「ストレス発散行動」を取るんだよ。
この行動循環のことを「無駄」だと、彼らは言っているんだね。そもそも食事のストレスをなくせば、ストレス解消なんてしなくていい。むしろ、食事を楽しむこと自体がストレス解消に繋がっている。

面白いよね。同じ「食事」という行動なんだけどさ。一方は健康を作りながらストレス解消に繋がっていて、もう一方は健康に負担を掛けながらストレスを溜めている。

ちなみに、成功者のみんなが毎日豪勢な食事をしているかというと、そんなことはない。どちらかというとイメージは反対だろうね。だから、掛茶料理むとうでも「野菜の煮物」などを美味しいと言って喜んでくれるんだよ。会席料理全体の栄養バランスが良いほど「美味しかった」って言うの。体が「健康につながること」イコール「美味しい」と認識してるのかもね。実に興味深い。

じゃあ、この方々が具体的にどんなものを普段から食べるようにしているのか。というと、面白いくらいにバラバラなんだよね。せいぜい一般的な水準よりも野菜の摂取量が多い傾向にあるね、くらいのものだ。具体的な食べ物や量なんかはバラバラで当然。年齢も生活も職種も体格も、ありとあらゆる条件が違うのだから当然といえば当然のことなんだよね。画一的になるわけがない。
共通しているのは、「自分にあった一日の食事のリズム」をちゃんと作っていることだ。
一日に何食食べるのか、時間帯はいつ頃なのか、朝昼晩の量のバランスはどの程度か、を自分の体に合わせて規則正しく繰り返している。だから、いつも体が軽くて決まった時間に最大のパフォーマンスを引き出すことが出来ている。皆さんの周りにも、とんでもないバイタリティがある人がいるかもしれないけど、よく観察してみると、決まった時間になると自然にパフォーマンスがあがることに気づくだろう。そういう人は食事でリズムを作っていて、自動的にスイッチが入るようになっていることも少なくない。

料理人は食事を提供するプロフェッショナルであるから、完璧にリズムを作れているだろうと思われることもある。でも、紺屋の白袴になりがちなんだよね。かなり意識して健康的な食事のリズムを作り出す努力をしているのが実情だ。
仕事やスポーツ、そして生活のパフォーマンスを上げたいという人は、ぼくらと一緒に「食事のマネジメント」をしてみましょう。時々はこのエッセイなどを通して、健康のための食事の情報を公開していくからね。

今日も読んでくれてありがとうございます。接待の終了時間をさっと早めに切り上げて、心地よい余韻を残していく。そんなスタイルでリズムを乱さないというのもエグゼクティブの特徴だよね。そして、上がり際がさっぱりしていて粋なんだ。そんなカッコいい飲み方って良いよね。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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