エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 緑茶で乾杯じゃなかったプロジェクト 2021年4月13日

2021年4月13日

掛川市には「緑茶で乾杯条例(通称)」があります。施行は2019年4月。なんだけど、はじめは「お茶割り乾杯プロジェクト」っていう名称だったんだよね。この活動を知っている人は掛川市ないでも少ないんだけど。

昨日の続きです。
掛茶料理むとうで緑茶を有料メニューにしたら、思いの外評判が上がってきましてね。しかも「一番茶の消費量」が圧倒的に増えたのです。なんとお茶屋さんたちから、もうめちゃくちゃ感謝されたの。昨今のペットボトル茶に押されて、上級茶葉の販売が厳しい状況でこんなに買ってくれるところは少ないんだって言ってね。
これを聞いたぼくは、また無茶なことを思いついたの。
「そうだ!全国の飲食店が当たり前のように『上級茶を有料メニューで販売』すれば良い!」

思いついたは良いけれど、どうして良いかわからなくて。とりあえずは「ビジネスとしてちゃんと売上が伸びること」「お客様の評判がよくなること」を掛茶料理むとうで実証して、それを他の飲食店に伝えていくことにしたのね。だけど、そう簡単には進まなかったんだ。たろちゃんところとは状況も客層も違う。そんなに簡単じゃない。そりゃそうかもしれん。
しばらくはウンウンうなって、どうしたもんかと考えていたんだ。そのうちに考えるのが疲れてきたから、気晴らしに夜の街に飲みに出かけたんだけど、これが良かった。一人でカウンターに座って、ぼんやりと周りのテーブルとかを眺めていたら、あることに気がついたんです。
「みんなグラスで飲んでるし、似たような色してるなあ」

掛川って、焼酎飲む人が多いんです。吟醸王国なのにね。焼酎の水割りとウィスキーハイボール。お酒だったらあんなに飲めるんだよね。お茶に置き換えたらスゴイ消費量じゃないですか。お茶割りばっかりになって、全部のグラスが緑色だったら壮観だろうね・・・?!
そうなんですよ。ここがスタートだったんだ。
次の日からいろんなお茶割りを試してみることにしたんだ。例えば焼酎を一種類決めて、合わせるお茶の種類を変えたり、割合を変えたりして比べてみる。これね、びっくりするよ。同じ焼酎なのに「こんなに変わる?」っていうくらい味が違うから。それから、どの焼酎とどのお茶の組み合わせが良いかも試したね。
実はこの「いろんなお茶割り」は、後日イベントにしたんだ。ぼくらが感じた楽しさや面白さ、美味しさををいろんな人に体感してもらいたくてね。
その頃には、ぼくらの仲間たち(あいさプロジェクト)が手伝ってくれて、緑茶でまちづくりを加速させるための活動になっていたんだけど。ぼくらが考えていたのはふたつ。
「緑茶の『消費量日本一』をビジュアル化すること」
「お酒と組み合わせて消費機会を拡大すること」
ここから始まったし、これが目的の全てだというのは今も変わらない。
2日じゃ収まらなかったのでまた今度。

※茶処で「お茶割り」と言ったら「焼酎+緑茶」です。緑茶ハイとか言わない。ましてやウーロンハイなんかが出てくるとお客がブチ切れます。
※あいさプロジェクトは「勝手にまちづくりを考えて勝手に活動する任意団体」です。ぼくと周りの仲間で勝手にはじめました。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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