エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 自営業で良かったこと 2021年3月1日

2021年3月1日

サラリーマンをやめてからもう少しで7年が経ちます。あっという間だよね。やろうと思っていたことの半分もできていないというもどかしさ。自営業ならサラリーマンに比べて決済権が自分にあるので、もっといろんなことが自由にできるはず、という妄想を抱いていたよ。実際に決済は早いのだけれど、実行するために必要なヒト・モノ・カネの用意に時間を取られる。そのあたり、大企業は既に揃っていて、あとは「使わせてくれ」というだけだったんだよね。ということに今ごろになって気づいたよ。

自営業で良かったなということもあります。

なんせ時間のコントロールは自分次第なもんだから、頻繁に子供や家族に会えるというのが一番かな。サラリーマンの頃は、一度家を出たら仕事が終わるまで家族に会うことはないというのが一般的だからね。僕にとってはこれが一番大きいよ。サラリーマン時代に長女から「お仕事ばっかりダメー」って言われたのは、今でも鮮明に覚えている。もっと合う時間がほしかったんだよね。

仕事の面でも良いことがある。挑戦がしやすくてやり始めたらハードルが高いことかな。なんだか難易度の高いゲームをやっているみたいで、面白いって思っちゃうんだよね。自分で「やりたい」と思って始めたことって、意外とじっくり付き合える。ハードルは高いしやる作業は膨大だけれど、ひとつひとつ向き合って課題を解決していく時間は、あまり辛いという気がしないんだよね。ドMなのかな。

あとは、すごく幅が広がったよね。人と知識の幅。出会う人数はもしかしたらサラリーマンの頃のほうが多かったかもしれない。社員数も多かったしね。今は人数よりも振れ幅が大きい感じがする。年齢も性別も業種も職種も本当に幅が広くなった。というのは外部との接点が拡張したからかな。一つの会社はある程度振れ幅があっても、やっぱり同じ文化を共有しているからね。外部との接点が増えるということは、違う文化や文脈に触れる機会が増えるということだ。だから今は人と出会って会話をした分だけ僕の中の何かが広がっていく感じする。

知識の幅が広がったのははっきりしている。やること考えることが多岐にわたるからね。もう、覚えることがとても多いし、自分でも必死に考え続けないと追いつかないの。それこそ出会った人の影響で知ったこともあるし、必要に迫られて覚えたこともある。組織の一分になっていると、どうしても知識は偏るのかな。偏っている分だけ深くなるという利点もあるけどね。ともあれ、事業の成長過程で経営者はなんでも屋になっちゃうから勉強量が多いんだよね。

今日も読んでくれてありがとうございます。いつの間にか。そういつの間にか暮らしのスタイルが変わってきているんだね。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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