エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 贅沢な時間 2021年3月8日

プレミアム会員になってくれているお客様の中にはいろいろな方がいらっしゃいます。先日ご来店いただいたお客様は日本酒が大好きでして、「美味しい日本酒とそれに合う料理」というご注文。この食事会がとても面白くて、一緒にいらしたお客様が「日本酒を作っている人」だったんです。

その日はね。一般にはあまり流通していない日本酒を数種類、作っている人から仕入れておいたんだよね。で、そのお酒のそれぞれの「作りて目線の特徴」とか「お酒に使っているお米の種類とその特徴」とか、そんな話を、「日本酒を作っている人」本人から聞きながら飲む。僕も日本酒が好きだからよく分かるのだけれど、「好きな人にはたまらない贅沢な時間」だよね。

「日本酒を作っている人」にも、日本酒を作り出すまでの人生というかストーリーがあって、どんな人間性の人がどんな考え方でモノを生み出しているのかということが間近で聞ける。もちろんテレビや書籍でもそういったストーリーに出会うことは出来るけれど、それは一方通行の情報になりやすい。直接会って、その人が作り出したモノを体感しながらその人と話をするというのは、双方向の対話になる。これがなんとも贅沢な時間なんだと思う。

今は新型コロナウィルス感染症のせいで「人と人が会って話す」ということが制限されているのだけれど、会って相互交流することがこんなにも贅沢な時間なのだということを改めて感じるよね。いつかどこかで読んだのだけれど、人間のコミュニケーション手段に「言葉」と「言葉以外」があって、言葉以外の部分も、表情とか仕草とか触れるとかいった「目に見える言語外の伝達」と、電磁波のように伝わる「目に見えない言語外の伝達」があるのだとか。専門的なところはよくわからないけれど、こんなことを聞くと「会う」がとても素敵なことだということを理屈でも解釈してしまう。やっぱり会って話すって良いよね。

会員向けサービスとして、「日本酒を作っている人と一緒に日本酒を楽しむ会」とか「お茶を作っている人と一緒にお茶を楽しむ会」なんかの企画をやっていきたいよね。もちろん「ふぐ料理を作っている人と一緒にふぐを楽しむ会」というのも良い。その場合は僕らの誰かが一緒に席に座らせていただくことにしよう。

そうそう、一昨日お客様と話したことなんだけど。「いろんなふぐの食べ比べ」もいいよね。食べて美味しいふぐはトラフグ以外にもたくさんあるのだけれど、実際にはお客様が他のふぐを召し上がる機会があまりないのだ。だから、どのくらい違うものなのかそれぞれの味比べをしてみたいっていう話になってね。お客様からこういう提案をしてもらえるというのも、相互交流から生まれることで、こういうのがとっても素敵だなと思う。

今後プレミアム会員向けに、オンラインサロンみたいなコミュニティーを用意しようと思っているんだ。参加必須なわけじゃないけど、会員さまには参加権を付与するくらいの感覚で。僕らも含めて「食が好きな人同士」が「食」について交流できるようになれたら、とっても楽しいと思う。

今、少しずついろんなことを準備しているから楽しみに待っていてくださいね。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

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