エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 失敗しても立ち上がれる準備 2021年3月27日

学生時代に少しだけ柔道をやっていました。部活動としてでなくても、もしかしたらちょっと前の時代の人だと体育の授業で柔道をやったことがある人もいるかもしれないね。柔道ってさ、他の競技と少し違うところがあって、一番最初に「負けたときの対処」から練習を始める。そう、「受け身」ですよ。
当然格闘技だから、サッカーや野球とは同列に比較するなんてことはナンセンスだけど。それでも、「勝つこと」の前に「負けること」から始めるというのは面白いスタートだという感じもします。

「会社を起業する」「新規事業を立ち上げる」といったとき、はじめから失敗することなんて考えない。成功するんだという意思が先行するんですよ。「やる前から失敗することばっかり考えるな!」というのは、心構えとして正しいと思います。そりゃそうだ。ただ、もし万が一のこともある程度想定して、失敗を最小のリスクに抑える術を事前に用意しておくことも大切なんじゃないかとも思いますね。
こういう「受け身」をちゃんと練習しておくことで、「大怪我をしない」ようになる。大怪我をしないから、ちゃんとすぐに立ち上がることができるわけで、大怪我をしてしまうと再起が難しくなるわけです。次の試合に出られないとか、部活に参加しても練習ができないとか、場合によっては現役に復帰できなくなるとかね。ちなみに、僕は現役の後半で受け身を失敗して腕を骨折してしまいました。完治するまで半年、その間に柔道部員としては現役引退です。そう。受け身をちゃんとやらないとこういうことになるんですよね。

会社における「受け身の練習」っていうのが何なのかは、それぞれに違うんでしょうけどね。割と準備していない会社もたくさんありそうな気がしています。日本って、他国と比べて再起しにくい環境だという話を聞くことがあるんですけど、もしかしたら「受け身が取れなかった」か「受け身を知らなかった」というのが原因なのかもしれないですよね。と言いながら、会社組織における「受け身」が何なのかは僕も漠然としているんですけど。
「株式会社」という組織形態そのものも、実は「受け身」の機能を持っているとも言えます。「投資リスクと経営リスクの分散」が株式会社の最たる特徴ですからね。この部分の解説は長くなるので割愛しますけど。うちみたいな会社は株式会社でありながら、株式会社としての特長を活かしきれていないんだよなぁ。経営で失敗すると同時に投資も失敗する構図になってる。いわゆる個人商店状態。これじゃ何のために株式会社にしているのかわからないよね。似たような構図の会社もたくさんあると思いますけどね。もっと勉強が必要です。

積極的にチャレンジするための「受け身」の練習。勇気と無謀の境目ということなのかな。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

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