エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 美味しいタイミング 2021年10月17日

「食べるタイミングを見計らって料理を用意する」ことは、ある程度認知度の高い概念だと思っています。というのも、「焼き魚は焼き立てが美味しいよね」とか「お茶は淹れたてが美味しいよね」という日常会話からみても“普通のこと”になっているのが分かるよね。

ある意味、「賞味期限」を究極まで絞り込んでいくことなのかも。例えば「焼き魚」は賞味期限20分とか?食べられるしそれなりに美味しいけれど、このあたりから食味が落ちていくよという感覚は、なんとなくあるじゃない。そう考えていくと、賞味期限という呼称にも種類があっても良いのかもなあ。面倒だから誰もやらない。浸透もしないけど。

焼き上がりから3分間が「A」で15分経ったら「B」みたいな感じで、2時間も経過したら「C」。そこから冷蔵庫に入れたら「F」で、冷蔵保存で3日もしたら「H」とか。端折ったね。あいだも設定できるかもって思ったからで特に根拠はない。というか、この設定自体に根拠もないけど。
ともあれ、細かい設定をした場合の最終段階に来るのが世間一般で設定されている「賞味期限」なのかな?それとも、もう少し手前なんだろうか。賞味期限は、あくまでも美味しく食べられる期限だからさ。どこまでを「美味しく食べられる」としているのかって、気にならない?

「美味しい」って、感覚だから難しい。もしかしたら「C」の手前くらいで「マズイから食べない」って言い出す人もいるかも知れないし、「H」でも「美味しいじゃん」と言う人もいるかも知れない。というのを加味しての「美味しく食べられる」「目安」というこだ。
これ。メーカーによって考え方が違ってたりするんじゃないかな。一応、行政の示す基準があるのだけど、もっと短く設定してるとこもあるかもしれないよね。メチャクチャこだわりの強い頑固な職人が作ってて「この表示より前に食べてくれ」みたいな。

賞味期限は長く設定したほうが消費行動の喚起につながる。なるべく長く販売したほうが利益率は高いし、ロスも少なくなるし。だから、最近は賞味期限表示期間を伸ばす方向で調整が進められている。なんなら、消費期限も伸びている。そりゃ伸ばすでしょ。むしろ、昭和時代に設定した消費期限が現代と一緒なわけないんだよね。家電の性能が全然違うから。味を無視してしまえば、かなり期間を伸ばせる。低温冷凍したら、もうどうなるか恐ろしく長くなる。

賞味期限のことを考えていると、モヤモヤするんだよなあ。ホントはもっと長い期間美味しく食べられるのに「賞味期限切れだから」って捨てちゃう人いるでしょ?納豆の賞味期限が切れた翌日に「これ腐っている」ってゴミ箱に放り込んだり。小学生の頃にこれをやって、家族に爆笑されたのはぼくだ。
期限が長すぎると、人間は忘れるじゃん。忘れた場合の期限超過は著しいよ。賞味期限1年前とか。そういうこともある。じゃあってことで小分けにすると過剰包装になる。むむむ。いっそ賞味期限は短いほうが「美味しいうちに食べちゃおう」ってことになるのかなあ。どうなんだろう。

今日も読んでくれてありがとうございます。この前屋台でたこ焼き買ったんだよ。焼いているときも、パックに詰めているときも「表面はカリッとしていて、中はふんわり」がわかる。10分後。家について蓋を開けたら、全部ドロドロなんだよね。これは、その場で食べなきゃダメなやつ。たこ焼きも、持ち帰り用に焼き方を変えるって出来ないもんだろうか。仕出し弁当の焼き魚は、味付けも焼き加減も違うんだよね。

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武藤太郎

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