エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 就職とか転職とか恋愛。物理的な変化がもたらすもの。 2022年4月10日

転職をしたおかげで使わなくなったノウハウがある。経験や知見は役に立っているんだけれどね。実務的な部分はほとんど使わなくなっちゃったよね。その業界でしかほとんど活躍しないモノゴトや、下手をするとその会社でしか通用しないモノゴトもある。

新年度早々、新卒入社の方々がたくさんいる中で、転職の話を始めてしまったな。

ぼくの場合、ホントに転職だからさ。会社を変えるだけじゃなくて、職種も変えちゃってる。

一般的な転職だと、例えば営業をしていた人が別の会社で営業職に就くとか。システムエンジニアやってた人が、システムエンジニアとして別会社に移るとか。そういうのが多いよね。職種そのものを変えると、いろいろおもしろいものが見える。今までの常識が簡単に崩れてしまう。通用しない。思考回路そのものが違っていたりするし。業界が変わると、常識もまったく違ったりする。国を変えれば、それは更に加速する。

一途に同じ仕事をし続けるのも素晴らしい。けれども、あちこちの世界を見て回るのも良いだろう。と思っている。物理的に移動することがとても大事なんだよね。それぞれに異なった常識がある、というくらいのことは知識として知っている。そういう人もいるよね。本を読んだり、学校で出会った人だったり。ただ、身体感覚をもって知ることや、その中に入って体験することは、知識を得ることとは別物なんだ。物理的にそこに存在することがとても重要。ま、ぼくの経験で話をしちゃっているんだけどさ。たぶん、そう間違ってない気がする。

変な例えになっちゃうけれど。恋愛もちょっと似ているんじゃないかと思うんだ。

生まれてはじめてお付き合いした異性と生涯添い遂げる、という確立は低い。もちろん、そういう人もいて素晴らしいと思う。あくまでも、確立の話ね。ついでに、ぼくの恋愛観とは関係ないからね。ただの例え話。

何人かの人とお付き合いをしているうちに、だんだんと自分のことがわかってくるということがあると思うんだ。意外と自分の好みってわかりづらくてね。好きになるのは毎回このパターンだな、とか、別れるときもこんな感じかな、とか、そういうのを繰り返していくうちに自分のことが見える。

ただの知人でも友人でもなく、恋人というちょっと深い繋がりだからこそ自分のことが見えてくるんじゃないかと思うんだよ。それも、だんだんとね。

仕事もだいたい似たようなもんでさ。仕事や業界や会社なんかと、深く付き合ってみてこそわかることがある。というと、仕事がわかるという文脈で語られてしまいがちだ。それもあるだろうけれど、ホントに大事なのは自分のことが見えてくるってことだと思うんだ。

一度は、会社に告白をしたんだ。就職活動なんて、そんなもんだよね。自分のいいところをアピールして気に入ってもらう行為なんて、恋愛の告白みたいなもんだろう。で、受け入れてもらえた。

だったら、ちゃんと深く付き合ってみると良いんじゃないかな。第2志望だろうが第3志望だろうが、とにかくお付き合いし始めちゃったんだから。

就職していなくても、たぶん同じなんだろうなあ。漫画家になるとか、お笑い芸人になるとか、ミュージシャンになるとか。ちゃんと深く付き合ってみる。しっかりと向き合ってみる。頭と同時に手も足も体も動かしてみる。そうして、見つけるのは仕事の本質がどうとかじゃなくて、「自分が何者なのか」なのだ。

今日も読んでくれてありがとうございます。入学、就職おめでとう。物理的に別の世界へ足を踏み入れたことが、めでたい。自分を発見するためのステージにたったことにおめでとう。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

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