今年のふぐシーズンも終盤に差し掛かってきました。ふぐは一年中食べられるのだけれど、実は漁期が決まっている。だいたい10月~3月。だから、昔のふぐ専門店はこの期間しか営業していなかったし、現代でもそういうお店もある。一年のうち数ヶ月はお休みにしちゃうんだから、スゴイよ。どういう経営の内容になっているのか一度しっかりと聞いてみたいよね。
漁期っていうのは「ふぐを捕るための船を出せる期間」のことで、もちろんふぐは一年中海に泳いでいる。だから、他の季節に「ふぐが捕れちゃった」ということもまれに起こる。網に引っかかっちゃうんだよね。小さくて元気なのは海に還すのだろうけど、海に戻すことが出来ない場合もあって、そういう時はうちに電話がかかってくる。買ってくれないかとね。海洋資源保護の仕組みができる前は年中食べられていたそうだから、夏には夏のふぐの調理技法があって、ふぐ刺しなんかも下処理の仕方が冬場とは違うやり方だったりするのだ。と僕は父から教わっただけなのであまり偉そうには語れないけれどね。
いつだったか、同じようなことをここに書いたと思うのだけれど。現代の冷凍保存技術はびっくりするくらい進歩しているよね。ほとんど劣化せずに長期保存出来るのは、スゴイ時代だ。特にふぐの身はマグロや鰹みたいな魚に比べて、長期保存の劣化が少ないと言われている。こうなってくると、旬ではない夏のふぐを捕って食べるのと、冬のうちに冷凍保存したふぐを解凍して食べるのとどっちが美味しいのか、ということが気になるけれど、正直なところまともに比較したことはない。というのも、夏のふぐはめったに手に入らないからなのだけどね。
それはそうと、2020-2021年のふぐシーズンもそろそろ終わりです。
今シーズンは特にふぐ料理のご注文が多かったなあ。会席料理や宴会お客様の数がかなり減ったので、相対的にふぐ料理の比率が高いのもあるし。旅行に行きづらいご時世だから「せめてふぐ料理でも食べに行こう」というお客様も多かったよね。
プレミアム会員の皆様も、そうでない皆様も、今シーズンのふぐを食べに来ませんか。この時期はふっくらとした美味しい白子が入っているので、これがもう、ね。美味しくて。