エッセイみたいなもの

今日のエッセイ 好きな人が好きなこと 2021年2月17日

2021年2月17日

好きな人が出来ると、新しい好きをインストールすることができるということを経験したことはありませんか。

例えば、好きな女の子が「私洋楽のロックを聞くのが好きなの」なんて話を聞いたら、その子と楽しくコミュニケーションしたい一心でCDを買う男の子がいるとかね。そんなことって、なんとなく身の回りに溢れているような気がするんだ。僕はこういう経験を「新たしい『好き』をインストールする」って呼んでいる。

新しい好きをインストールしてどうなるかというと、僕も同じものを好きになるかもしれないし好きにならないかもしれない、というくらいのものだ。なのだけれども、これにはひとつとても良いことがある。というのは、「見えなかったものが見えるようになる」ということだ。

例えば、僕がちょっと特徴的な車、オープンカーなんかに乗っているとする。そのことを知った友人は、もともと車に興味もなかったけれど、しばらくしてこんなことを言い出すんだ「最近オープンカー増えたよね」と。実際に増えているかというと、そんなわけはないのだ。二人乗りで屋根が開いて室内の音もうるさい車が爆発的に売れ始めるわけないじゃない。でも、友人の感覚としては「だって最近になってたくさん見かけるんだもの」である。

こんなことない?不思議だよね。もともとそこにあったのに、見えてなかったっていうことだものね。

僕も当然のことながら、こういう経験をしてきたし、いまもたくさんしている。その度に、新しい世界が見えるような気がしていて、なんというか、ただ単純に面白いなと思うのだ。今まで見飽きるほど見てきた世界が、別の人の視点で見てみると少し違った世界に見えるからね。なんか新鮮で面白い。

そうだ。これからは率先して誰かの「好き」に乗っかってみようか。今までは自然にやってくるものばかりだったからね。妻の「好き」なもの、娘の「好き」なもの、両親や家族に友人、お客様の「好き」なものに自分から乗っかってみるのも面白そうだ。もしかしたら、それが役に立ったりためになったりするかもしれないけれど、今はそんなことは二の次で良いよ。とにかくワクワクする。

今日も読んでくれてありがとうございます。

「好きな人が好きなコト」「好きな人が好きな人の好きなコト」なんて連鎖していったら、僕の周りに色んな人の「好き」集まってくるのかな。うちの店がそういう連鎖の場所になれるといいな。

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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