エッセイみたいなもの

今日のエッセイみたいなもの 2021年2月7日

2021年2月7日

商売って、大変ですよね。僕が若い頃、下っ端でお給料をもらっていたときだってそれなりに大変だと思っていましたけど、経営するようになるとまた違った大変さがあります。

お客様にどれだけ喜んでもらえるか、その喜んでもらえた対価としてお金をもらうというのは商売の基本です。その対価の中で食材を仕入れたり、お部屋を整えたり、お給料を払ったりするわけです。そして、こういう必要なコストを差し引いて残ったのがお店の利益です。

極端な話をすると、お店の利益があまりたくさんなくても商売は回っていきます。壊れたものなんかの修繕が出来るくらいの貯蓄があれば、あとは全部必要経費のなにかに変えてしまっても大丈夫なんですよ。

こんなことを書くと、財務に詳しい方や銀行さんに怒られちゃいそうですけどね。たぶん、新しいことをなんにもやらなければ、なんとかなっちゃうんですよ。きっと。

でも、それって嬉しくないし楽しくない。僕らの話じゃなくって、お客様がです。

時代によって求められるものって変わるんです。変わっていくことで、お客様の喜びを加速させるかキープしないと、そのうちお客様が来なくなってしまいます。

その変化は5年位だと気が付かないかもしれないけれど、もっとずっと昔にさかのぼって、当時の「ごちそう」をみるとびっくりします。安土城にいた織田信長さんの晩ごはんには、どーんと大きな盃にはいった塩水があったんですって。数百年前の京都の料亭では、ゆで卵が名物だったこともあります。

もしも、現代でも同じ料理をお出ししたら、お客様はどんな顔をするでしょう。

だから毎日ちょっとずつ変化をしていかなきゃいけないんですよね。それが数百年たつとこれだけおっきい変化になっちゃっている。ちっちゃな進化の積み重ねです。そういうところに、お店の利益を使っていくわけでうね。

でね。思うわけです。

もう、予め一年分の利益が確定してたら良いのになって。そうしたら、来店されるときにいただくお金は全部必要経費として使っちゃうから。今よりもっと、良い食材を仕入れられるし、手間も時間もかけられる。

そんなこんなで、かれこれ7年前に思いついたアイデアを実行にします。

準備は整っているので、あとは走るだけです。むとうの特別なお客様「プレミアム会員」開始。

https://kacha-muto.favy.jp/

  • この記事を書いた人

武藤太郎

掛茶料理むとう2代目 ・代表取締役・会席料理人 資格:日本料理、専門調理師・調理技能士・ ふぐ処理者・調理師 食文化キュレーター・武藤家長男

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